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2008年8月に作成された投稿

2008年8月29日 (金)

新ブログに移行しました(2)

ブログの前や後に広告が入ってしまい、私の考え方とは違う内容のものが見受けられましたので、広告の入らないブログに移行しました。

新ブログは http://l-assist.cocolog-nifty.com/blog/   です。

「司法書士メモ」で検索。

2008年8月28日 (木)

新ブログに移行

広告が入ってこないようにするため次のブログに移行しました。

http://l-assist.cocolog-nifty.com/blog/

2008年8月27日 (水)

地目変更登記

 土地の利用状況を宅地や畑などと登記簿に表示していますが、この登記された利用状況を地目(ちもく)といい、他の利用状況に変わった場合に「地目変更登記」手続をします。

 熊本市の場合、市街化区域内に住宅を建てるために地目が「畑」である土地を買う場合は、農業委員会に簡単な届出を出せば1週間ほどで「受理通知書」が送られてきます。農業委員会は「宅地」にするために「畑」を買うことについて農地法に基づいて届出があれば必要事項を審査して受理します。
 この「受理通知書」があれば登記所に所有権移転登記手続ができますので、代金を支払って売買契約を完了し建築工事に着手することができます。
 売買によって所有者の名義は買主に変わりますが地目は「畑」のままです。地目を「宅地」に変更するためには「地目変更登記」を申請する必要があります。
 地目の考え方は現況がどうであるかで判断します。誰が見ても農家の方が野菜が植えているような土地であれば「畑」とわかりますし、家が建っていれば「宅地」とわかります。私たち土地家屋調査士が地目を判断する基準も全く同じであり皆さんが考えることと変わりはありません。

 では、耕作放棄されて荒れた土地や道路の工事などで一時的に資材置場として耕作がされていない農地の場合はどう判断するのでしょうか。
 私たちはこの状態を「中間地目」と読んでいます。これは地目の種類の表現ではなく、どっちつかずの土地という意味です。よくこの状態の土地を「雑種地」にしてほしいと依頼される場合がありますが、そもそも「雑種地」とは駐車場、テニスコート、高圧線鉄塔敷地などに利用されている土地のことで、どっちつかずの「中間地目」の土地のことではないのです。
 でも「中間地目」と思われる土地でも、限りなく「宅地」に近かったり「雑種地」に近い状態の場合は非常に判断が難しくなります。これは各土地家屋調査士で判断が異なってきますが、私の場合「畑」を「宅地」に変更する例では、元の「畑」に戻すことが出来るか出来ないかを判断し、出来ないのであれば次に「宅地」の要件を備えているかを判断して決めます。この「宅地」の要件は色々ありますが基本は最初に書きましたように一般の方達が見て「宅地」と判断する材料と変わりません。

 このように「地目変更登記」は土地の利用状況で判断しますので、必ずしも依頼者の要望に応えられない場合もあります。

2008年8月25日 (月)

オンライン申請

 平成17年3月7日からスタートした新不動産登記法は、オンライン申請のために新しい法律に作り替えられたと言っても過言ではありません。「登記原因証明情報」や「本人確認情報」は一見オンライン申請とは関係ないように思えますが、私個人の意見ではありますが大いに関係していると思います。これらは少々曖昧な位置づけであった「原因証書」や再度受付し直す「保証書」制度を見直して、よりオンライン申請に即した形に変えられています。
 ところが思ったようにオンライン申請件数は伸びませんでした。それは私たち司法書士サイドでインフラを整備しても住基カードが普及しなかったためにオンライン申請を利用することが出来ませんでした。熊本の登記所でもオンライン申請はあっておりますが司法書士自身が関係する不動産で実験的に申請したのがほとんどではなかったでしょうか。私の事務所でも昨年暮れに、実験的に所有権移転仮登記と仮登記抹消の各登記手続を申請しましたが管轄の登記所が困惑していました。

 このように現実味のないオンライン申請を普及させるために本年1月16日から特例方式によるオンライン申請が始まりました。これは依頼人からの書類はこれまでどおり書類で提供(登記所に郵送または持参)し申請手続のみをオンラインでおこなうというもので、一部の登記申請に登録免許税が軽減させる措置が執られたために司法書士は関心を示さずにはいられない状況になりました。私の事務所では昨年の早い時期から商業登記手続を全てオンライン申請に切り替えておりましたので違和感なく不動産登記手続も切り替えることができ、本年1月16日以降は依頼人の希望で申請書提出申請手続をする以外は全てオンライン申請しております。

 オンライン申請のメリットは登録免許税の軽減(最高5,000円)の他に、即日申請しなければならない売買による所有権移転登記手続や抵当権設定登記手続を遠隔地の登記所に出向くことなく申請できますので提出日当などの依頼人の負担も不要になります。このように特例方式によるオンライン申請手続を利用するかしないかは少しでも経費を削減したい依頼者にとって重要なことになります。

2008年8月22日 (金)

インターンシップ

 毎年8月に熊本大学と熊本学園大学から司法書士事務所に学生さんがインターンシップでやってきます。今年は8月18日から今日(22日)までです。
 私の事務所には熊本大学からAさんが職場体験にきておりますが、はたして満足できる結果であったかはわかりません。職場体験ですから何らかの仕事の一部をしていただくのが一番勉強になりますが、取り扱っている仕事の性質上守秘義務があるものがほとんどで5日間では上辺をなぞるだけになりました。
 Aさんは単位を取るのみでなく司法書士という仕事に興味を持っていましたので、広範囲な業務をやっているところを見せたかったのですが、主たる業務の登記申請手続についてが接する機会があまりありませんでした。というのも、現在、不動産登記も商業法人登記もほぼ全部をオンライン申請しているためディスプレイを通して感覚的に見るというのみで手続の中身が理解できなかったのではないかと思いました。
 Aさんはほぼ毎日私と一緒にいましたが、初日から債務整理の依頼者が来たり保証否認通知の書類作成依頼があったりと、大半が登記以外の仕事をしている場面が多かったため、裁判事務に関する仕事をしている司法書士というイメージを強く持たれたのではないでしょうか。
 すでに司法書士事務所でのインターンシップを経験された方の中から司法書士が誕生しておりますが、Aさんも今後勉強して弁護士を目指されているとのことでしたので、いつの日かお会いすることを楽しみにしています。

2008年8月21日 (木)

寄与分と扶養義務

 司法書士は相続登記手続を通じて多くの事例に遭遇します。共同相続人間ですんなり協議が整う相続もあれば、協議が整わずに家庭裁判所の調停申立が必要になるような事例もあります。
 親族間では感情が一度こじれてしまうとなかなか修復しがたい状況になる場合が往々にしてありますので、冷静に話し合いが出来るようにある程度の知識をもって協議に臨む必要があります。特に被相続人(亡くなった人)と同居して面倒を見られた共同相続人は寄与分制度を理解しておく必要があります。

 寄与分制度とは、被相続人の財産の維持または増加につき特別の寄与をした共同相続人に法定相続分とは別に寄与分を加算しようというものです。
 寄与の方法は、被相続人の事業に関して労務の提供または財産上の給付、被相続人の療養看護、その他の方法があります。
 寄与をしたと認められるためには、被相続人が生前中に財産を減らさないで済むようにしてあげたり財産を増やす行為を手伝ってあげたことが必要です。

 親と同居して面倒を見てきたから寄与分を認めるよう主張される方がいますが、親が生前に年金をもらっていて、生活や医療費に全く不自由することがなく孫に小遣いをあげるような生活をしていた場合、「財産の維持または増加につき特別の寄与をした」にあたるか問題になります。また、住んでいた家が親が建てたものだった場合、家賃を払わないで住めましたので家賃相当の特別受益を受けていたとされる場合があります。生前中に受けた特別受益は本来の相続分の中から控除されて相続分が計算されます。

 直系血族及び兄弟姉妹は、互いに扶養をする義務があります。扶養される方が財産を持っていようが持っていまいが扶養する義務はあります。寄与を考える場合には扶養の義務と切り離して考えることが必要です。

2008年8月19日 (火)

過払金返還請求

 以前はタウン情報誌に掲載されていた債務整理の広告が近頃では日刊紙に掲載されたりテレビCMで流されるようになりました。
 司法書士の広告ができるようになってからかなり時間が経ちましたが、これらの広告に何となく違和感を覚えるのは私だけではないと思います。もし、このような広告がなければ司法書士が多重債務の解決のためにお手伝いしていることを、情報を求めている人に周知できないということであれば、それは本来司法書士会がすべき広報を彼らがしてくれていると善意に解釈できないでもありませんが。
 私たちがしている債務整理や過払金返還請求はボランティアではなく業務として報酬をいただいてやっているものです。しかしながら本旨は多重債務からの解消を手伝うことであり世の中から多重債務者がいなくなれば不要な業務になるのです。
 私は依頼者に返ってきた過払金を渡すときにいつも貯金(定期預金)されるように奨めます。どのようにお金を使われようと自由なことでお節介とは十分承知していますが、定期預金が出来る機会というのは滅多にあるものではなく、事業に成功したり宝くじでも当たらなければなかなかできるものではありません。お金は後々役に立つときが必ずきます。急な出費が必要になったときに貯蓄から充てるのと借りるのとでは経済的に見て約2倍の差があります。貯蓄は減少しますが借金には利息が発生し18%の利息でも4年で2倍になるからです。
 現在私たちが代理して行っている過払金返還請求は任意の返還に応じてくれない一部の業者を除いて話し合いによって和解します。これは時間を要する場合が多かったり和解額を譲歩する場合もありますが、訴訟費用を考えれば依頼者のためには経済的利益があるためです。

2008年8月14日 (木)

中間省略登記

 甲から乙へ、乙から丙へと順次売買による所有権の移転があった場合、中間取得者乙の同意書の添付があっても甲から丙への所有権移転登記手続は受理しないというのが確立された登記実務になっています。この取り扱いは新不動産登記法の施行の前も後も変わりありません。不動産登記法は、登記原因成立の都度順次登記がなされることを想定していて、中間省略という登記形態はそもそも想定していません。【例外として判決に基づく登記手続があります。】

 平成17年3月6日(新不動産登記法施行の前日)以前は甲から丙への登記申請手続いわゆる中間省略登記が受理されていたと言われる方がおられます。しかし、これはそもそも中間を省略した登記として申請されていなかったのであり、登記申請書や添付書類から中間取得者乙が存在することがわからなかったから受理されていただけのことだったと思われます。
 当時の不動産登記法では、原則として「登記原因を証する書面」を添付することとされていましたが、「登記原因を証する書面」が初めから存在しない場合、あるいは存在しながら何らかの事由によってこれを提出することができない場合には、「登記原因を証する書面」の提出に代えて、「申請書の副本」(登記申請書と同じもの)を提出することとされていました。実際は中間省略登記であるものを「登記原因を証する書面」が存在しないとか、提出することができないという理由で「申請書の副本」を提出して登記申請手続が受理されていたものと思われます。「申請書の副本」には、登記権利者(買主のこと)と登記義務者(売主のこと)という表現で記載されていましたので中間取得者乙の存在は申請手続に表れませんでした。

 しかしながら、平成17年3月7日から施行された新不動産登記法は、法令で別段の定めがある場合(所有権保存登記等)を除き、「登記原因証明情報」を提供しなければならなくなりました。「登記原因証明情報」に甲から乙へ、乙から丙へと順次売買により所有権が移転した事実が記載され、甲から丙への所有権移転登記手続をすることにつき中間者乙が同意している旨の記載があったとしても、最初に書きましたように不動産登記法が予定している登記形態や登記実務のとおり甲から丙への所有権移転登記手続は受理されないのです。この場合は甲から乙、乙から丙への登記手続をそれぞれしなければなりません。

 不動産取引業者の方から中間省略登記の質問が寄せられますが、昔も今も中間を省略したと判る登記申請は受理されていないのです。

2008年8月12日 (火)

債務整理を始める転機

 これまでに多くの方の債務整理のお手伝いをしてきましたが、話を聴いていて、もしあの時点で相談されていたらもっと簡単(手続的にも資金的にも)な解決方法があったのに思うことがよくあります。
 この時点とは漠然としたものではなく、依頼者の生活にはっきりと現れている次のような時期です。
 1 返済が月収の4分の1を超えた
 2 返済のために他社から借入が必要になった
 3 保証人が必要な借入をしなければならなくなった
 4 おまとめローンの利用を考えた
 5 返済資金を借りたいが消費者金融はどこも貸してくれなくなった
 6 1社でも返済が出来なくなった

 これらの時期はほとんどの多重債務者が経験しています。このどれもが返済できなくなる前兆で、自身の収支状況を見つめ直す時期なのです。
 1の月収に占める返済額を把握することができれば一番良いのですが、その月に返せるか返せないかで判断されている場合が多く、「返すことができていた」と言う人がいますが借りたお金で返していたから「返すことができていた」というのが実情で、基本的に返済できるかどうかの目安である月収に占める返済の割合を大きく超えていた人がほとんどです。

 休暇の旅行資金のためなどに借り入れたい場合、短期間(1~2ヶ月)で賞与等から一括して返済することができるなら消費者金融の少々高い金利でも手軽に借りられるという便利さがあることは否定できません。しかし、リボルビング払で返済が長期になれば、先に書きました「72の法則」のとおり高金利は金利が金利をうみますのでいつまでたっても元金が減らないのです。 
 返済をしていて不安になったら月収に占める返済の割合を計算して多重債務に陥らないように早めのチェックをして下さい。

2008年8月11日 (月)

ブログに移行

 ホームページに書いていた司法書士業務の一口メモをブログに移行しました。

 

2008年8月 8日 (金)

内容証明郵便

 内容証明郵便とは「誰が、誰宛てに、いつ、どんな内容の手紙を出したのか」ということを、郵便事業株式会社が謄本により証明する制度です。相手方に配達されなければ意味がありませんので配達証明とセットで利用します。

 内容証明郵便を出すことを訴訟手続のような効力があるものと誤解されている方がおられますが、書いた内容が証明される郵便にすぎません。事案によって本当に必要かどうかを見極める必要があります。もちろん相手方に心理的圧力をかける目的で利用する場合もありますが、その効果を期待するなら訴訟等の法的手続を取った方が近道です。
 内容証明郵便は、法律に基づき催告や通知等の法律効果を発生させる必要がある場合にその証拠を残すために利用します。この必要がある場合というのを例にあげれば法律に、「意思表示によってする。」(民法540)、「履行の催告をし、」(民法541)、「返還の催告をすることができる。」(民法591)、「契約の解除をすることができる。」(民法594)というふうに規定されています。
 アパートや貸家等の賃貸借契約のトラブルを例にしますと、滞納した賃料を回収する場合だけでしたら契約で当然支払うべき賃料ですから請求したかどうかは問題になりません、しかし、滞納を理由に契約を解除する場合は履行の催告(民法541)をしたこと、解除権の行使の意思表示(民法540)をしたことが要件になりますので、相当の期間を定めて履行を催促し、その期間内に履行のないときはその契約を解除する旨の内容証明郵便を送っておく必要があります。

 その他に、内容証明郵便には債権譲渡の通知などの場合のように確定日付を得る効果もあります。
 名は体を表しますが、まさに書かれている内容を郵便事業株式会社により証明できる郵便です。

請負工事のトラブル

 請負工事のトラブルで比較的少額な司法書士の代理権の範囲の相談がよくあります。
 床をフローリングにしたり台所等の水回りをリフォームする工事から光熱費を節約するために太陽光発電にされる方が多くいらっしゃいますが、トラブルが発生するのは途中で仕様変更や追加工事があった場合がほとんどで、トラブルの内容は工事代金に関するものです。注文者がお金を払ってくれないという施工業者からの相談がほとんどです。

 最初の契約はお互い納得して交わされますが、途中の変更は口約束だったり説明不足だったりして相互の思惑に差異が生じ後日トラブルになります。
 本来なら契約の変更をすべきですが、そこまでしなくても変更部分の見積書を渡して注文者の承諾のサインをもらっておくとかすれば防げる問題です。
 注文者の言い分は変更することについて差額が生じることを聞いていなかったとか、見積の範囲内で工事をしてくれるものと思っていたというものです。
 工事業者にとっては常識であっても我々消費者はそのように受け止めないことが多々ありますので、仕様の変更は金額の面を含めて書面で確認しておくことが大事です。

任意整理の分割返済と期限の利益喪失

 民法に、「期限は債務者の利益のために定めたものと推定する。」という条文があります。債務者にとって支払や返済をある期限まで待ってもらえることはいいことです。
 お金を借りた人にとっての「期限の利益」は、分割で返済できるメリット(利益)のことです。「期限の利益喪失」とはこの分割返済できるメリットを失った、つまり一括返済しなければならなくなったことを意味します。

 通常、私たちが代理で分割返済の合意をする場合は、利息制限法で引き直した残元金をもとに大半が将来利息をカットしてただ単に残元金を分割で返済するという債務者にとって大変有利な和解をします。期日までの返済を守りさえすれば、完済まで分割で返済できます

 もし、約束した返済を守らなかった場合には、以後、分割払いが出来なくなるということが「期限の利益喪失約款」(懈怠約款)として和解条項に記載されます。
 例えば、毎月末までに1万円づつ分割して返済するという和解の場合は、「・・分割金の支払を2回怠り,その額が1万円に達したときは当然に期限の利益を失い・・」という条項になります。しかし、消費者金融の一部には、「・・分割金の支払を2回怠ったときは当然に期限の利益を失い・・」というふうに、通算して2回返済が遅れたら期限の利益を喪失するという厳しい条項を要求する会社もあります。

 返済が滞ってこの条項に該当した場合は、以後、分割返済ができなくなり、残元金に滞った期間の損害金を加えた額を一括返済しなければならなくなります。せっかくの和解が水泡に帰してしまいます。

 任意整理を希望される場合、消費者金融等に対して分割返済の和解提案をする前までには、慎重に返済可能な月々の額(返済原資)を検討しなければなりません。私たちに債務整理を委任された時点で一旦今までの返済が停止しますので到来する月末にいくらお金が残るかで返済原資(毎月の返済総額)を知ることができます。受任後の開示請求の期間は、任意整理に限らず債務整理の方針を決めるための基本的な家計収支状況を判断できる貴重な期間です。

登記権利証から登記識別情報へ

 権利証はなくなったの? という質問を受けます。

 「権利証」という呼び方は通称で、正式には「登記済証」といいます。平成17年3月に不動産登記法が新しくなり、以後、登記が完了した場合「登記済証」ではなく「登記識別情報」が交付されるようになりました。通常、「登記識別情報」は半角英数字を組み合わせた12桁の記号を印刷した部分に目隠しシールが貼られた書面で交付されますが、「登記識別情報」とはこの書面のことではなく12桁の記号のことです。
 改正後の登記手続に以前からある「登記済証」が使えることはいうまでもありません。
 「登記済証」も「登記識別情報」も株券(もうすぐ電子化してなくなります)みたいにその書類や記号自体が権利の客体となるものではなく、今後売ったり担保に入れたりする登記手続で正当な所有者であることを証明する一つになるものです。万一「登記済証」を紛失したり「登記識別情報」がわからなくなっても再発行されませんが、「登記済証」や「登記識別情報」を提供できない場合でも他の方法で登記手続をおこなうことができます。

 私たちが登記手続を代理する場合「登記済証」は視覚的に確認できますが、「登記識別情報」は失効させる制度があるため法務局が書面で発行したものがあったとしてもそれが有効であるかはわかりません。そこで取引等の安全を確保するため事前(半日前くらい)に「登記識別情報」を教えていただいて管轄登記所に有効性確認手続を行うようにしています。

後見人の責務

 成年後見制度は、判断能力の不十分な人を保護するための制度です。
 後見を開始するかどうかや誰を後見人に選任するかは家事審判官(裁判官)が決定します。選任された後見人は、以後、裁判所の監督の下に後見事務を行っていきます。

 後見人は本人(後見される人)のために本人に代わって財産の管理や処分等に関する契約や手続きをすることができます。後見人にはこのように強い権限が与えられていますが、当然、善良な管理者としての注意義務が求められます。
 後見人はたとえ本人の身内であったとしてもあくまでも「他人の財産」を管理しているという立場を忘れてはいけません。就任後直ちに財産の調査をして財産目録を作成し家庭裁判所に提出しなければなりませんし、日々厳正な収支を心がけて財産の管理をして、毎年、一定時期の本人の財産と収支の報告を家庭裁判所に提出しなければなりません。
 一番本人のことを理解している親族が後見人に就任することが理想ですが、いろいろな事情により親族から選任することが難しい場合にはリーガルサポートの会員等の中から第三者が後見人として選任される場合があります。身内であろうと第三者であろうと本人の財産を守るという後見人の職務内容に変わりはありません。

 後見事務に関して迷いや疑問が生じた場合は家庭裁判所やリーガルサポートに相談されるようにして下さい。

融資保証金詐欺

 先月の熊日の朝刊に、熊本県内でも多重債務者をターゲットにした融資保証金詐欺の被害が増え始めているという記事がありました。大手をかたって精巧なダイレクトメールを送ってくるという新たな手口だそうです。

 銀行等の金融機関からの新たな融資で多重債務を解決する場合でも、正確な債務の総額を把握する必要がありますから融資を受ける前に債務整理を行うことが必要です。

 多重債務を解決するのは病気の治療によく似ています。負債が増えていく早い段階で専門家の相談を受ければより多くの解決のための選択肢がありますので費用的にも手続的にも有利なものが選べます。もちろん、病気と違って多重債務問題はどんな状態であっても本人が解決しようという決意があれば必ず解決できます。返済に無理するようになった段階、一部返済できなくなった段階、大半が返済できなくなった段階、全く返済できなくなった段階等いずれの場合でも解決方法がありますので迷わずに相談に行かれて下さい。

 アシスト司法書士事務所でも無料で多重債務の相談に応じていますので、電話で予約をしてからおいで下さい。

時効を中断させる請求とは

 最近、売掛金の回収に関する相談が多くあります。継続的取引により生じた小口の複数の債権回収が滞っているのです。二年の短期消滅時効にかかる売掛金も多く見うけられます。相談者は毎月請求書を出しているから時効にかからないと思われているようです。
 確かに、民法147条に時効の中断事由として「請求」がありますが、ここでいう「請求」とは、時効によって利益を取得する者(請求先)に対して裁判上または裁判外で権利内容を主張する行為のことをいいます。
 そして、この「裁判外の請求」として民法153条の「催告」があります。催告した後6ヶ月以内に裁判上の請求等をすれば時効の中断の効力を認める(条文は逆の表現)というものです。
 消滅時効にかかりそうな債権がある場合は、時効期間が経過する前に相手方に配達証明付内容証明郵便で催告し、速やかに(6ヶ月以内に)裁判上の請求等の手続きをとる必要があります。

以下は民法の参照条文です。参考にされて下さい。

( 時効の中断事由)
第147条 時効は、次に掲げる事由によって中断する。
 一 請求
 二 差押え、仮差押え又は仮処分
 三 承認
(催告)
第153条  催告は、六箇月以内に、裁判上の請求、支払督促の申立て、和解の申立て、民事調停法若しくは家事審判法による調停の申立て、破産手続参加、再生手続参加、更生手続参加、差押え、仮差押え又は仮処分をしなければ、時効の中断の効力を生じない。
(二年の短期消滅時効)
第173条 次に掲げる債権は、二年間行使しないときは、消滅する。
 一 生産者、卸売商人又は小売商人が売却した産物又は商品の代価に係る債権

借金が2倍になる年数は? 72の法則とは

 毎朝自宅を出る頃NHKラジオの朝の番組「ビジネス展望」が放送されており、短時間ですが有意義な経済の話が聞けます。先日は「72の法則(ルール)」という話でした。以下はその要約です。

 72の法則とは、投資した元金を2倍に増やすのに必要な年数を割り出す計算式(複利計算)です。72を金利で割れば必要な年数が計算できます。
  (例) 72 ÷ 6(%)= 12(年) というぐあいです。
 しかし、6%なんて高金利商品はなかなかありません。現在の一般的なネット銀行の1年ものの定期預金金利を0.8%とした場合、90年もかかってしまいます。
 預金を2倍にするためには、こんなに年数が必要になります。
 また、72を年数で割れば元金を2倍にするのに必要な金利をもとめることができますので、老後の資金を確保するために10年で元金を2倍にするためには何%で運用しなければならないか計算できます。でも、くれぐれも高額金融商品はハイリスク・ハイリターンであることを忘れないでください。
  (例) 72 ÷ 10(年)= 7.2(%) となります。

 借金の場合にも72の法則で倍になる年数が計算できます。使い方はまったく同じで、72を金利で割れば借金が倍になる年数が計算できます。
  (例)今ある借金の金利が18%ならば
      72 ÷ 18(%)= 4(年) で倍になります。
 現在の上限金利29.2%だと2年半ほどで2倍になってしまいます。
 返済しては借入するという悪循環を繰り返しているとこのように利息が利息を生んで借金がどんどん膨らんでいきます。

中小企業の事業承継

 3月決算の大企業の株主総会は6月27日がピークで終了しましたが、熊本の企業に関しましても数社の記事を新聞で見受けました。上場企業のニュースでは(敵対的)買収対策の議題が話題に上っていました。

 サラリーマンの世界では団塊の世代の定年退職が始まっております。戦後の日本の経済成長を引っ張ってこられた方たちが最前線から退かれていかれることは会社にとって大きな損失ですが世代交代は避けて通れません。
 同世代の会社経営者の方もたくさんおられ、サラリーマンの退職と同様に次の世代に事業承継を考えなければならない時期が来ております。
 後継者不足で会社をたたむ(解散する)事案が多いと聞き及んでいますが、この問題は経営者だけの問題ではなく雇用という社会の問題でもあります。安定した雇用を確保するため事業承継に関して政府もいろんな施策を講じております。

 中小企業のほとんどが、経営者=株主 です。事業承継は経営権(議決権)を承継して完結します。会社の承継とは株式移転による財産の承継になりますが、重要なことは経営権の承継つまり議決権の承継をすることです。
 親族承継の場合は納税対策を施して株価を下げる等の節税(相続税)対策が必要になりますし、承継者に3分の2以上の株式を与える争族対策が必要になります。

 子息等の親族が承継することが創業者にとって理想の承継でしょうが事情によっては従業員や第三者の承継ということも視野に入れなければなりません。
 従業員が承継する場合、取得資金の問題(資力がない)が生じますのでMBOの利用等が考えられます。また、M&Aで会社ごと譲渡する場合は自己資本比率を向上させて、第三者に取得意欲を高めてもらう対策が必要になります。

債務整理と家計収支

 私たちが考える債務整理とは、過去の負債の清算や調整をすることは当然ですが、これから先、借入に頼った生活を改められて1年後や2年後に若干でも貯蓄のできるような生活を取り戻していただくためのお手伝いをすることです。そのため、とかく借入額ばかりに目がいきますが、収支の状況を把握することに最も重点を置いています。
 自営業者の債務整理は給与所得者の案件と比較して方針の見極めに苦労します。それは大方の自営業者が実際の月々の収入と家計上の支出の把握をしておらず、任意整理や個人再生の場合の返済原資(毎月返済する総額)が確保できるかの見極めが難しいからです。
 給与所得者の収入は給与明細を見ればわかりますが、自営業者の場合はいろいろな事情から必ずしも確定申告に現れる収入を鵜呑みにできない場合があります。営業収支と家計収支がごっちゃになっている場合が多々見受けられ、収支状況を慎重に調査する必要があります。
 一方、月々の支出は基本的な衣食住に関して、住居の維持に必要なお金(住宅ローン、家賃、駐車場代、管理費、固定資産税等)、食費、被服費(衣服代、クリーニング代)、水光熱費が必要です。これに保険料、医療費、学費、交際費、通信費、嗜好品等の支出を計上します。また、年間をとおして車検費用や各種公租公課等の支出を考慮しなければなりません。自営業者の場合は前記に加え、家計支出を営業支出から切り離してきちんと区別して集計する必要があります。
 最初に書きましたように債務整理の第一歩は収支の状況を知ることから始まります。多重債務者は収支のバランスが崩れてしまっています。私たちがする債務整理とは、この収支のバランスを取り戻していただくお手伝いをすることです。

宅地と私道

 全ての土地は道路に接していないと行き来ができません。この道路が公道(市道等)であれば基本的に問題はありません。土地や中古住宅を購入する際は宅地に接する道路を調査して将来新築や建て替えができるようにしておきましょう。
 私道(自分以外の個人名義)を通行する場合、だれからもクレームを付けられなければ日常通行する分には支障がありませんが、建物を建築する場合や宅地を担保にして融資を受ける場合等に問題が生じる場合があります。
 この場合、以下の通行権と建築基準法の2点について検討しなければなりません。

1 通行できる権利を持っているか
 道路の持分を持っているとか通行地役権を設定していれば登記簿に公示されますので通行権に関しては全く問題はありません。また、通行承諾をもらっていれば通行に関する限り問題ありませんが、金融機関の融資を受ける場合には道路に持分をもっていないと融資してくれない場合が往々にしてありますので可能なら持分を譲ってもらわれて下さい。私道の権利関係につきましては最寄りの登記所で公図(字図)や登記事項証明書(登記簿謄本)で調査するとこができます。

2 宅地に建物を建築できるか
 建築基準法で建築できる道路(接道)として取り扱っているのは、都市計画法に基づく開発許可を取って工事がなされた造成地内の道路や道路位置指定を受けた道路であれば全く問題はありませんが、それ以外の私道や幅員が4m未満の公道の場合は調査する必要があります。これらは市町村役場の建築係にいけば調べることができます。

 仲介業者が介在している場合は重要事項説明書に道路に関する説明が記載されていますが、個人間で取引される場合は以上の調査が必要です。

借入金の消滅時効

 債務整理を受任して債務の調査をしていると消滅時効が成立しているケースがあります。過払金返還請求権の消滅時効のケースもありますが、今回は弁済(返済)に関する消滅時効が成立している場合のことで、借入残高があっても返済する必要がなくなります。
 10年くらい前にカードを作って借り始めて3年ほど返済借入を繰り返したが、ここ7年ほどは返済も借入もしていない。どう考えても(利息制限法の利率で計算しても)残元金が残っているはずなのに消費者金融からの請求書も7年前送られてきたのを最後に無かった。ところが、先日、残元金に利息と損害金を加えた額の返済催告書が届いたというような事例です。
 民法の規定によれば、債権は10年間行使しないでおくと時効で消滅しますが、例外の一つに商法では、商人の債権や会社の債権の場合、原則として5年で消滅します。
 消滅時効の期間は契約上の支払期日の翌日から起算しますので、このケースの場合すでに7年が経過しているので消滅時効を援用することができます。つまり、借金の債務が消えて債務を弁済せずに済むことになるのです。
 しかし、時効期間に弁済をするとそこで債務の承認をしたことになり時効が中断しますので、その弁済の翌日から時効期間が起算されます。

敷金返還のトラブル

 最近、敷金返還に関するトラブルが多くなっています。
 敷金とは、借主が貸主へ賃料支払債務などを担保するために預ける一定の金額のことです。借主が貸主へ借家を明け渡すときに未払いの賃料があったり、その他の債務不履行があった場合それを差し引いた残額が借主に返還されます。
 「その他の債務不履行」とは、借主が故意または過失によって借家を損耗、汚損させた場合の原状回復債務をいいます。損耗、汚損が経年変化や通常の使用によって生ずることが予想されるものの場合はこれに含まれません。
 借主が拭き掃除など通常の清掃をして明け渡すことは当然ですが、業者を使った物件全体のハウスクリーニング等は、貸主が次の入居者のためにするものであり、貸主が負担すべきものです。
 原状回復義務を判断する際の資料に国土交通省のガイドラインが利用されますが、このガイドラインに法的な拘束力はありませんが、判例をベースに作成されていますので参考資料として広く利用されています。
 賃貸借契約を終了する場合は問題が複雑化するまえに専門化に相談して未然にトラブルの発生を防ぎましょう。

中古住宅取得にともなう取得税の軽減

 今年春のねじれ国会で租税特別措置法が話題になりましたが、この法律により私たちは登記申請手続を行う場合の登録免許税の軽減について適用を受けます。
 軽減の手続きは私たちがしますが、中古住宅を取得された場合は、築後20年以内等の一定の条件のもと取得税(県税)の軽減が受けられます。この手続きは登記手続きの完了後、みなさんが不動産の所在地を担当する地域振興局または熊本県税事務所に出向いて申請します。詳しい資料は地域振興局または熊本県税事務所のほか市町村の税務窓口にもパンフレットが用意してありますのでご覧下さい。

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