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相続

2008年8月21日 (木)

寄与分と扶養義務

 司法書士は相続登記手続を通じて多くの事例に遭遇します。共同相続人間ですんなり協議が整う相続もあれば、協議が整わずに家庭裁判所の調停申立が必要になるような事例もあります。
 親族間では感情が一度こじれてしまうとなかなか修復しがたい状況になる場合が往々にしてありますので、冷静に話し合いが出来るようにある程度の知識をもって協議に臨む必要があります。特に被相続人(亡くなった人)と同居して面倒を見られた共同相続人は寄与分制度を理解しておく必要があります。

 寄与分制度とは、被相続人の財産の維持または増加につき特別の寄与をした共同相続人に法定相続分とは別に寄与分を加算しようというものです。
 寄与の方法は、被相続人の事業に関して労務の提供または財産上の給付、被相続人の療養看護、その他の方法があります。
 寄与をしたと認められるためには、被相続人が生前中に財産を減らさないで済むようにしてあげたり財産を増やす行為を手伝ってあげたことが必要です。

 親と同居して面倒を見てきたから寄与分を認めるよう主張される方がいますが、親が生前に年金をもらっていて、生活や医療費に全く不自由することがなく孫に小遣いをあげるような生活をしていた場合、「財産の維持または増加につき特別の寄与をした」にあたるか問題になります。また、住んでいた家が親が建てたものだった場合、家賃を払わないで住めましたので家賃相当の特別受益を受けていたとされる場合があります。生前中に受けた特別受益は本来の相続分の中から控除されて相続分が計算されます。

 直系血族及び兄弟姉妹は、互いに扶養をする義務があります。扶養される方が財産を持っていようが持っていまいが扶養する義務はあります。寄与を考える場合には扶養の義務と切り離して考えることが必要です。